品質極上古代ローマ共和国デナリウス銀貨前62年パウルス将軍マケドニア制圧記念貨

(c250137847)

図柄表：コンコルディア女神
図柄裏：ルキウス・アエミリウス・パウルス、ペルセウス王と王子たち
発行地：ローマ共和国ローマ市造幣所
発行年：前62年
発行者：ルキウス・アエミリウス・レピドゥス・パウルス
銘文表：PAVLLVS LEPIDVS CONCORDIA
銘文裏：TER
額　面：デナリウス
材　質：銀
直　径：18.5 mm
重　量：3.42 g
分　類：Crawford 415/1; Sydenham 926
備　考：マケドニア王国制圧記念貨®️

共和政ローマで前62年に発行されたデナリウス銀貨。融和の女神コンコルディア、マケドニア王ペルセウスと二人の王子、ルキウス・アエミリウス・パウルス・マケドニクスが描かれている。描かれているのは発行者ルキウス・アエミリウス・レピドゥス・パウルスの祖父で、先祖の武勲を称えた意匠である。

前168年、第三次マケドニア戦争のピュドナの戦いが行われた。ルキウス・アエミリウス・パウルス将軍率いるローマ軍とペルセウス王率いるアンティゴノス朝マケドニア軍が衝突。結果は、ローマ側の勝利。本貨は、パウルス将軍がペルセウス王と王子らを捕虜にした場面を描いている。共和政ローマでは個人への権力集中を避けるため、貨幣に肖像を刻むことは禁じられていたが、既に没した先祖なら許された。

その後、ローマに屈したマケドニアは四つの地域に分割され、保護国という扱いになった。だが、四つの地域は互いに関わりを持つことを禁じられていた。そうした政策による不満から反乱が勃発。ローマはこれを制圧した後、マケドニアの属州化を決めた。

デナリウス銀貨は、ローマの貨幣経済を支える基本通貨として登場し、共和政期から帝政期まで約400年に亘って発行が継続された。当初、その製造はカピトリウム丘のユノー・モネタ神殿内に設置された貨幣工房で行われていた。当時としては高額面の貨幣であり、兵士への給与支払を中心に神殿を始めとした建築物への費用ないし交易決済に利用されていた。

発行者のルキウス・アエミリウス・レピドゥス・パウルスは、ローマの有力氏族アエミリウス家の出身で、本貨は彼が貨幣発行三人委員の際に発行された。貨幣発行三人委員は、ローマ政界に入ったばかりの駆け出しの若者が請け負う仕事であり、彼らはこの役職に就いて貨幣の上に自身の名前を刻み、政治宣伝を行って活動基盤を築いた。

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