●江戸和本●田舎往来岩崎矩満青柳軒宝暦8年須原屋茂兵衛板往来物限時セール

(c2542090951)

田舎往来
【判型】大本1冊。縦267粍。
【作者】岩崎矩満（青柳軒）作。
【年代等】宝暦8年9月初刊（［江戸］須原屋四郎兵衛板）。江戸後期後印。［江戸］須原屋茂兵衛板。
【備考】分類「往来物」。農業型往来の模本とされた宝暦12年作・刊『〈手本〉農業往来』や明和3年刊『百性往来』ほどの普及は見なかったが、本書は刊本最初の農業型往来（写本では元禄10年作『農民鑑』や宝永7年書『農文蔵』が農業型の先駆）。「改暦之慶賀不可有際限候」で始まり、「猶、来陽目出度可申述候。恐惶謹言」で結ぶ全文1通の手紙文（新年書状）に約1000語の語彙を収録する。本文を大字・4行・付訓で記し、種物（穀類）、青物・山菜類、樹木・果実・草花類、農具・機具類、養蚕、農業施設、肥料、天候判断、水損・風損その他被害、地方・検地関連、四季耕作、五人組その他法規類、農村の秩序や風紀・相互扶助、年貢、村役人の心得、公事訴訟、農村経営全般、交通・夫役、祭礼・神楽・芸能、宗教・法事・神事、農民の衣食住と生活心得、魚介類、衣類、年中行事および正月飾り、家財・調度・諸道具類など、農事・農村経営・農民生活に関わる語彙を網羅する。なお、本文後半では、諸商売・諸職業の名称も随所に散見される。本書は、類書中最も記述内容が広範かつ詳細であり、主に村役人など郷村支配に関わる階層の子弟用に編まれた往来であろう。
★原装・題簽付・状態概ね良好（数丁書き入れ（ルビを朱筆で塗りつぶす））。記名なし・蔵書印なし。稀書（全国に所蔵数カ所（国文学研究資料館DB））。【参考価格（出品時の相場）：某古書店より購入したほぼ同程度の小虫本が、2万円余】。